『案ずるな。出でよ、時空を越えし勇士達よ!』
その呼びかけと同時に光が現れ、中から四人の人間が現れた。
「バイバ!人間だよー。強そうだな、リッド?」
「あ、アンタらは、夢の中で指輪をくれた人達!まさか、アンタらと戦うのか?」
「待ってたよ、リッド君。僕の名は、クレス・アルベイン。この人がミント・アドネード、法術師、つまり主に回復呪文を使うんだ。」
「よろしくお願いします。」
夢で見たとおり、細い声をしている。
「その人がアーチェ・クライン、魔術師だ。君達で言う、晶霊術士の事だな。」
「よろしくね、みんな!」
元気のいい、メルディタイプの人間らしい。
「この人がクラース・F・レスターさん。召喚術士だ。」
「クラースだ。よろしく。」
イレズミが体中に書いてある。何かの紋章だろうか。
『さあ、試させてもらう。レム、シャドウ、手出しは無用だぞ。せめてこの勇者達には勝てねばいけないのだ。』
「さあ、行くぞ!」
クレスはエターナルソードを抜き取り、構えた。
「くっ、もうやるしかねぇな。ファラ!キール!メルディ!行くぞ!」
「わかった。」
「うん!イケるイケる!」
「ワイール!がんばるよー!」
「クィッキー!」
先に動いたのはクレスだ。
「ミント!シャープネスだ!行くぞ、魔神剣!」
「シャープネス!」
ミントの一声で振り下ろす剣が光を放った。そして、剣圧と共に衝撃波がとんだ。
「魔神剣には魔神剣を!魔神連牙斬!」
幾つもの衝撃波がぶつかった。そして、そのうちの一発がクレスをとらえた。
「ぐあっ!」
クレスは壁に叩きつけられた。
「今だ!虎牙破斬!」
「ミント!」
「ハイ・・バリアー!」
リッドの剣が当たる前に光の壁がクレスを守った。
「クッ、光の壁?キール、フリーズランサーだ!メルディ、ディレイでミントを封じろ!」
「まかせろ!」「はいな!」
クレスも動いた。
「アーチェ!インデグニションだ!クラースさん、イフリートお願いします!」
「OK!」「わかった!」
「させないよっ!獅子戦吼!」
二段攻撃でクラースを迎撃し、闘気により上空のアーチェに当て呪文の詠唱を止めた。
「きゃぁ」
「ぐあっ、ふ、二人も接近戦タイプがいるのか。クレス、気を付けろ。」
「ハイ!紅蓮剣!」
炎をまとった剣をファラに投げた。
「ハッ!まだまだね。」
ファラは飛び上がってよけた。
「リッド、今よ!」
「くらえ!空破絶衝撃!」
クレスは剣が無いので盾で防ぐしかなかった。しかし、一瞬で後ろに回られ強烈な一撃を食らった。
「ぐあっ!ミ、ミント、ヒールを!戻れ、我が剣!」
その声により、クレスの剣が手に戻った。
「ハイ、ヒールですね。」
「えっ、ミント、ハイヒール!?」
「バイバ!させないよー!ディレイ!」
「フリーズランサー!」
ディレイによりミントの呪文の詠唱時間が長くなり、そこへ全員に向かって無数の氷の刃が飛んだ。
「ぐはっ」
「きゃあ」
「いたっいたたたた」
「ぐぐっ」
フリーズランサーのあと、クレスが叫んだ。
「ま、負けるものか・・奥義、冥空斬翔剣!!」
その言葉に反応し、リッドは仲間の前に出て叫んだ。
「極光壁!!」
リッドの体から虹色の光が放たれる。周囲の仲間たちの周りに光の壁が作られ、全ての攻撃を防いだ。
「光の壁!?かなり強力だ!ミント、逃げろ!」
その声と同時に、リッドは次の手を打っていた。極光壁より生じた光を剣にした。
「くらえぇぇ極光剣!!」
すでに遅かった。後方にいたアーチェとクラースを残し、クレスとミントは極光剣による攻撃を思い切り受け、倒れた。
「ぐああぁ!」
「クレス、休んでろ!」
「す、すみません、後は頼みます。」
「クレスとミントのカタキをうたせてもらうよ!」
「ア、アーチェさん、まだ死んでません。」
「ゴメン!」
「アーチェ、呪文を!」
クラースは指示を出し、呪文を唱えた。
「出でよ!グレムリンレアー!」
魔界から召喚された子悪魔がリッド達に襲い掛かる!
「キール!これは!?」
「分からない。た、たぶん召喚された悪魔だろう。全員防御しろ!時間が長い分、魔力も減る!」
「来るわよ!」
「バイバ!後ろからも来たよ!」
「くっ、ヤバイ・・体力が持たない、ファラ!」
「うん、はいっ、ミラクルグミ。」
「サンキュ、もぐっ」
「みんな、気を付けろ!こらえるんだ!」
キールは注意するよう呼びかけた。
「防がねぇ、斬る!」「うん、殴る!」
キールとメルディを中心に子悪魔を跳ね除けたそのとき、クラースの後ろで呪文を詠唱していたアーチェが言った。
空を仰ぎし者どもよ
地にひれ伏し祈れ
天を覆いし黒雲よ
我らここにその力を示せ
さまよう風よ
その力を持って扉を開け
吐けよ風の吐息
「キ、キール、何?あの呪文!?」
ファラが言った。
「分からない、聞いた事が無いぞ。メルディ、知ってるか?」
「バイバ!メルディも知らないよー。」
アーチェの周囲に風が渦巻いていく。そして、
「ゴッドブレス!!」
光をともない、天井から強烈な風が落ちてきた。グレムリンレアーと共に、リッド達は強風を受けた。
「キャーすごい風!」
違う意味でファラとメルディは叫んだ。そして、スカートを抑えた。
「リッド!ファラとメルディを!僕は呪文を発動させる!」
「おぅ、わかった!」
「フリーズランサー」
風の中から氷の矢が放たれた。不意をうたれたクラース達は、全弾受け、倒れこんだ。そこへ、メルディが唱えた。
「ワイール!これで終わりな。サンダーブレード!」
メルディの後方から雷の剣がクラース達に振り下ろされた。
「ぐあああぁぁぁ!」
「きゃー!」
『むぅ、そこまでだ。』
セイファートが頃合を見て、戦いを止めた。
『よくやった勇者達よ。礼を言う。よくぞ戦ってくれた。』
クレス達は立ち上がって言った。
「いてっ、いいんですよ、セイファート様。」
「聞きたいことがあるんだが、いいかな?えっと、アーチェさん?」
キールはアーチェに聞いた。
「んっ?なぁに?」
「さっきの魔法のことなんだが。アレは一体何の呪文なんだ?」
「あっ、アレね。古代魔術法[ハイエイシエントマジック]の事ね。」
「ハイエイシエント?」
聞き慣れない言葉にキールは首をかしげた。
「うん。まっ、これを読んで勉強して。」
といい、かなり分厚い本をキールに渡した。
「・・・ス、スゴイ!!」
「何がスゴイの?キール?」
ファラは顔をのぞきこんだ。
「あ、あぁ、あとで説明するよ。」
『さあ、いいかな?本題に入りたいのだが。』
「あっ、スミマセン。」
なぜか代わりにリッドが謝った。
『では、汝らに新たな仲間を紹介しよう。』
「仲間?」
『紹介する。こちらへ参れ、モーシェよ。』
左手を差し伸べて呼んだ。すると、指先から光が現れ、白いフード付きのマントを着た男が現れた。
「あんたは!」
「レイス!?」
「バイバ!」
「まさかっ?」
「いや、あの時の・・・セイファートの使者!」
そうだった、以前セイファートの試練の時に会ったセイファートの使者だった。
「久しいな、リッド・ハーシェル。」
『汝らにこの私の右腕、モーシェを連れて行ってほしいのだ。必ずや力になろう。』
「よいかな、皆?ここより先はゼウスの城だ。だが、入る前に、汝らの力を増やしたい。その中にいる最も力の強い者を呼ぼう。」
ゼウスの城らしい場所の前でモーシェはリッド達に話し掛けた。あの後、セイファートに頼まれ、ゼウスの世界の入り口まで移動したのだ。
「我が今、神、セイファートに願う。我力により新たな仲をとりたまえ。」
モーシェは呪文を唱えた。すると、メルディの持っていたクレーメルケイジが光り、中から大晶霊が出てきた。
「いよいよか、モーシェよ。久しく会うな。私の力が必要か?」
なんと、出てきたのはゼクンドゥスであった。
「ああ、汝の力で敵の『力』を止めてほしい。」
「なるほど・・よかろう。力を貸そう。」
「ありがとう。礼を言う。」
モーシェは頭を下げ、礼を言った。
「やったぁ!これで百人力だね!」
ファラが喜んでいると、
「そうだ、汝らにこれを与えよう。食べてみよ。」
「これは?」
赤いリンゴのような形をした果物を渡された。
「アンブローシアという物だ。おいしいぞ。セイファート様より渡すよう言われた物だ。」
「へぇ、食べてみよ。いただきま〜す。」
「クィッキーも食べるか?はい。」
「クィッキー!」
「・・アンブローシア?・・まさか!?」
「キールよ、言うでない。油断は何よりの危険だ。」
「は、はい、分かりました。」
「キール、食べないのか?俺が食べてやろうか?」
「結構だ!」
そういってキールは食べ始めた。
「さて、そろそろいいかな?・・おっと、お出迎えのようだ。」
異形のモンスターが入り口から2匹落ちてきた。
「行くぞ!」
モーシェの声から先頭が始まった。まず動いたのはゼクンドゥスだった。
「くらえ我が力を!」
そういい、手を振りかざした。敵は一瞬だが硬直した。その瞬間、モーシェとリッドが動いた。
「風刃縛封!」
「見よ、ハイエイシエントを!烈氷弾!」
モーシェの手の先から氷の刃が飛んでいった。
「フリーズランサーか?いや、何倍もの力だ。ケタが違う。」
しかし攻撃が当たったと同時にモンスターはなんと回復し始めた。
「再生!?そんなばかな!そんな生物知らないぞ!」
「これが奴らの『力』なのです、キールよ。」
「全員動け!『戻れ時』よ!」
ゼクンドゥスは再び手をかざした。すると、再生していた傷が再び広がり、元に戻った。
「さすがっ、時の大晶霊!」
「早くしろ!時間を止めたんじゃない、戻して遅くしただけだ!」
ゼクンドゥスに叫ばれ、全員が動いた。
「ワイール!行っくよー、エアスラスト!」
真空の刃が敵を襲う。その瞬間ファラが動く。
「連牙弾!」
リッドが出た。
「行くぜ!新必殺技!盗ませてもらったぜ、双竜連牙斬!」
連牙弾とエアスラストにより空中に飛んだ敵に連続斬を浴びせた。
「グオオオォォォー!」
一匹を倒したが、やはり少しずつ再生していく。モーシェは倒れていないもう一匹に呪文を使った。
「爆裂!」
声と共に、爆音が響いた。
「さあ、キールよ、新たの呪文を。」
モーシェはキールに呪文を使うよう促した。
「ハイエイシエントか。まかせろ!裂けよ大地!吐け、爆炎!地裂爆炎衝!」
倒れこんだ敵の下の地面がひび割れ、地面の底からマグマが出て、敵を飲み込んでいき、蒸発してしまった。マグマは敵を飲み込んだ後、地面の裂け目へ帰っていった。
「スゴイ呪文だ。今までの魔法とはケタが違う。」
「当たり前だ。我々が使う大晶霊の呪文や技は、古代の物なのだ。危険な故、禁止したのだ。」
とゼクンドゥスはキールに行った。
「さあ、行こう。各階ごとにそれぞれの長がいるはずだ。」
モーシェは、各階ごとの説明をした。
「よしっじゃあ行こう。」
リッドはどんどん先へ進んだ。10分ぐらい歩いただろう、先に進んだところにこの階の長がいた。
「よくぞ来た。私は、速さを持つリカナニアという名の者だ。」
「悪いが、名を聞いている暇は無い!くらえ!虎牙破斬!」
「遅い!私も同じ剣士だ。食らってみるか?我が光速の一撃を。夜嬢帝王剣!」
目にも止まらぬ速さの技がリッドを襲う。そして、リッドは身体に無数の切り傷を負った。
「ぐああぁっ!」
「キール、呪文!」
ファラは、急かした。
「ワイール!メルディも使うよー」
「光速には光速を!光弾よ、敵を撃て!光雷破弾!」
キールは、両手を敵のいる方へ差しのべ、呪文を使った。すると、光が矢となり、リカナニアを襲った。
「マジックミサイルとはなかなかやるな。イタかったぞ。」
「ファルスコバ・キルエム・オーライドザライ。ファムファタラファビドー、凍土よ!氷河よ!荒れ狂え!」
「リッド!そこから離れろ!」
ゼクンドゥスはリッドに離れるよう指示して、自分は両手で三角を作った。その作った三角をリカナニアに向ける。
「不動陣!」
そう叫ぶと、リカナニアの動きが止まってしまった。
「う、動けん!」
明らかに焦りの顔が浮かんだ。メルディは、リカナニアの方を向き、呪文の方向を定める。
「極零烈凍波!」
メルディは、合わせた掌に魔力を集中し、強力な冷波を放った。マイナス百度の極低温により、リカナニアを凍らせるのだ。
凍る寸前、リカナニアの叫んだ断末魔が響く。
「くそぉぉ!こんな奴らに負けるのか!?うおぉぉぁぁっ!た・・たすけてえぇぇ!」
「なるほど。禁止されるワケだ。範囲内なら敵味方関係なく攻撃するからか。」
リッドは一人でうなずいた。
「とどめだ!」
3人は動いた。
「ゼクンドゥスレーザー!」
ゼクンドゥスが叫ぶ。
「爆裂!」とキールが続き、
「烈氷弾!」モーシェも攻撃を放った。
爆音と氷の膨大な魔力の線が、ついに凍りついたリカナニアを破壊した。
「ふうっ。私の出番なかったなぁ。私も新しい技があるといいけどな・・」
少ししょんぼりしながらファラはリッドに言った。
「う〜ん技かぁ・・んっ!いいのがあるぞ。」
「えっ本当?」
「メルディに協力してもらえば出来る技だ。」
「メルディ、こっち来てー!」
敵の城の中で大声。大胆不敵である。
「何事か?」
メルディが来た。
「ファラの新必殺技の協力をしてほしいんだ。」
「メルディ、お願い!」
「分かったよ。何すればいいか?」
To Be Continued...